ルーファスとは、終電を逃した夜に一晩を伴にした仲:Rufus Wainwright/Rufus Wainwright【CD千本ノック 0075本目】

ルーファス・ウェインライトのデビュー・アルバム『ルーファス・ウェインライト』は、アタクシにとって忘れられないアルバムである。社会人なり立てのころ、終電を逃してしまったことがあって、そのまま一晩中家に向かって歩き、ずっとこのアルバムをリピートして聴き続けたことあったからだ。

今だったらタクシーを拾って帰ると思うが、当時はそんな頭がなく、とにかく歩くしかないと思い込んで、トボトボと家路についた。その時、多分たまたまディスクマンに入っていたCDがこの『ルーファス・ウェインライト』だったのである。

意気消沈しつつ音楽に耳を凝らすと、オペラを思わせるような流麗なサウンドとルーファス・ウェインライトの粘っこい美声が混然一体となって響いていた。そして、「人生はヨイことばかりではないが、まあそんなに悪いもんでもないぞ」と語られているような気分になったのである。CDを入れ替えるのが面倒だったこともあり、本当に朝まで繰り返し、何度も何度も彼の歌を聴いた。

そんな一晩を伴にしたアルバムということもあり、彼の音楽は、アタクシの頭にこびりついている。特に1曲目「フーリッシュ・ラブ」の「I don’t want to hold you and feel so helpless(君を抱きしめて/どうしようもない気持ちになりたくないんだ)」という歌いだしを聴くと、自然とあの夜のことが思い出されてくるのだ。その道に人影はなく、自分一人で黙々と歩くしかなかったことを。

Rufus Wainwright/Rufus Wainwright(1998)
1. Foolish Love
2. Danny Boy
3. April Fools
4. In My Arms
5. Millbrook
6. Baby
7. Beauty Mark
8. Barcelona
9. Matinee Idol
10. Damned Ladies
11. Sally Ann
12. Imaginary Love
13. A Bit Of You

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