今から30年以上前の1985年、チャーリー・セクストンが17歳の時にリリースしたファースト・アルバムが、『ピクチャーズ・フォー・プレジャー』である。セールス的には全米15位にとどまるものの、その当時は、日本を含めロック・アーティストとして評価されるだけでなく、アイドル的な人気を誇っていた。
確か若手の中でも、ある意味で超早熟な音楽性の高さが認められ、ロック界に現れた希望の星という感じだったし、そのスタイルやルックスのよさから、女性からキャーキャー言われていた。
もちろんアタクシも、その頃、彼のアルバムを聴いたがピンと来なかった。ロックの今後を担うアーティストやアルバムには思えなかったのが正直なところだ。決して、女子にモテているのを妬んだわけではない。
なので、最近までCDなどの音源も手元になかった。実力が伴わず人気先行というイメージを持ったまま、ずっと彼の音楽に触れずに過ごしてきたことになる。
ただ、数年前に紙ジャケ仕様のリマスター盤が出ていて、たまたまCD屋で見かけて、改めて聴いてみようと思った。いけ好かない印象よりも、懐かしさが勝ったのだろう。30年も経てば、聴く方も変わるのだ。
実際に『ピクチャーズ・フォー・プレジャー』を聴いてみると、「ビーツ・ソー・ロンリー」くらいしか聴き覚えがなかったが、当時聴いたのとはまた別の感覚も持った。周囲の評判やあの頃の喧騒がないせいか、フラットな気持ちで聴けて、普通のロックCDに聴こえた。アルバムの中にいた若くて嫌な感じのイケメンは消えてしまった。都合がヨイ年寄りだ。
チャーリー・セクストンというと、このアルバムくらいしか記憶にない。だが今も現役で、最近ではボブ・ディランのバックバンドでギターを弾いたりしているそうだ。きっとギタリストとして、生涯ロックを鳴らし続けていくのだろう。
Pictures For Pleasure/Charlie Sexton(1985)
1. Impressed
2. Beat’s So Lonely
3. Restless
4. Hold Me
5. Pictures For Pleasure
6. Tell Me
7. Attractions
8. You Don’t Belong Here
9. Space
10. Impressed (Extended Dance Remix)
CDはコチラ