バンドとしてオーラス前のアルバム:共鳴/チャットモンチー(2015)【CD千本ノック 0111本目】


2018年中に解散することを発表しているチャットモンチー。本人たちの表現に従えば、「完結」することになるらしい。そしてこの『共鳴』は、現時点で彼女たちにとって最も新しいオリジナル・アルバムになる。

なお、間もなくの解散をにらんでか、2018年3月には初のトリビュート・アルバム『CHATMONCHY Tribute ~My CHATMONCHY~』がリリースされたし、2018年6月27日には『誕生』と題したラスト・アルバムの発売も予定されている。解散と言っても、湿っぽい感じとは程遠いようだ。

前作『変身』から2人編成のバンドになって、音楽性も随分と変わったと感じていたが、この『共鳴』ではさらにその変化が顕著だと思う。バンド・サウンドはすっかり後退しており、Jポップ・アルバムといった方がヨイだろう。

率直に言って、チャットモンチーのロック・サウンド、3ピースの織り成す音楽が好きだったアタクシにとっては、聴きやすいアルバムではない。気がつけば、購入時に1回聴いたきりになっていたくらいだ。

ただ、セルフ・プロデュースで制作されたアルバムだから、彼女たちにとって最も鳴らしたい音を鳴らしたと考えるべきだと思う。既存のファンも基本的に好意的に受け止めている。アタクシ個人としては最終アルバム『誕生』で、どんな音を聴かせてくれるのか期待したい。

共鳴/チャットモンチー(2015)
1. きみがその気なら
2. こころとあたま
3. ぜんぶカン
4. 隣の女
5. 毒の花
6. 私が証
7. 楽園天国
8. 最後の果実
9. 例えば、
10. いたちごっこ
11. ときめき
12. ドライブ

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タイトルは手巻きタバコ用巻紙の印刷「残り5枚」に由来:Five Leaves Left/Nick Drake(1969)【CD千本ノック 0110本目】


ニック・ドレイク(Nick Drake)は、1948年6月19日生まれのイギリス人シンガーソングライター。父親の仕事の関係で、生まれ自体はビルマ(現ミャンマー)だそう。アタクシ的には自分の誕生日と同じなのが、何だかとてもうれしいのである。本当に好きなアーティストだから。

彼は、このファースト・アルバム『ファイブ・リーヴス・レフト』を含め、『ブライター・レイター(Bryter Layter)』、『ピンク・ムーン(Pink Moon)』と3枚のアルバムを残している。生前は商業的成功に恵まれず、その死後に評価が高まった。

今こうして彼の音楽を堪能している身からすると、あまり信じられないのだが、発表当時の反応は周囲や専門家を除き、ほとんど芳しいものではなかったのだ。彼が亡くなったのは26歳。抗鬱薬の過剰摂取が原因である。

アタクシが初めてニック・ドレイクを聴いたのは、恐らくリマスター版CDが出た2000年以降だったと思う。発表から30年以上の時を経て聴くと、サウンド自体に古さを感じた。それでも、穏やかな旋律、歌声はグッと心に染みわたり、掛け替えのない音楽としてアタクシの中に定着したのである。そして、不思議なくらい懐かしさも感じた。

ニック・ドレイクが再評価されたのは1980年代以降。ドリーム・アカデミーやブラック・クロウズのリッチ・ロビンソン、ポール・ウェラーといったミュージシャンたちが、ニックからの影響を公言しているようである。もし生前にちゃんと評価されていたら、彼が創り出した音楽をもっと聴けたかもしれない。遅れて来たファンとしては、彼が残した3枚の素晴らしいアルバムを聴けることに感謝しつつも、どうしても生前の評価が残念でならないのだ。

Five Leaves Left/Nick Drake(1969)
1. Time Has Told Me
2. River Man
3. Three Hours
4. Way To Blue
5. Day Is Done
6. Cello Song
7. The Thoughts Of Mary Jane
8. Man In A Shed
9. Fruit Tree
10. Saturday Sun

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