額田王【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#076】


【3月16日】額田王:生没年未詳

あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る

熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな

君待つと吾が恋ひをれば我が屋戸のすだれ動かし秋の風吹く

『万葉集』(一)(『日本古典文学大系』4、高木市之助ほか校注、岩波書店、1957年

【アタクシ的メモ】
言葉数も限りがあるし、いにしえの時代の短歌なので、詠まれていることはシンプルではあるが、どの首も情感がこもっている。