小林一茶【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#108】


【4月17日】小林一茶:1763.5.5~1827.11.19

「親のない子はどこでも知れる。爪を咥へて門に立。」と子どもらに唄はるゝも心細く、大かたの人交りもせずして、うらの畠に木・萱など積たる片陰に跼(かがま)りて、長の日をくらしぬ、我身ながらも哀也けり。

  我と来て遊べや親のない雀  弥太郎 六才(『おらが春』)

『父の終焉日記・おらが春 他一篇』矢羽勝幸校注、岩波文庫、1992年

【アタクシ的メモ】
小林一茶自身が、幼いころ寂しく、辛い家庭環境にあったことを綴っているようだ。「我身ながらも哀也けり」と言っているが、大人になってこうして言葉にできていることから、ちゃんと乗り越えられたのかもしれない。