ああ、ヨットのようだ【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0134】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】ポケットのなか/角田光代 ◎
10年近くかけて「だいじょうぶ」という信頼感を夫婦で築いたが、ほんのささいな出来事から離婚に至ることに。そんなことでと思う反面、自分の妻との付き合いも20年以上になるなかで、実際に変化したり、ずれのようなものを感じることもあり、妙な納得感があった。小説に書かれていたが、私たちは、得たいの知れないものを抱えているのだ。

【詩・俳句・短歌・歌詞】土/三好達治 ◎
「蟻が/蝶の羽をひいて行く/ああ/ヨットのようだ」というわずか4行の詩。それでも、その光景は目に浮かぶし、ちゃんと私に訴えかけてくる。単純だけどと言うより、シンプルだからこそ強く伝わるのかもしれない。修飾をたくさんすればするほど、ぼやけてしまうのと同じなのだろう。

【論考】第一次的現実/外山滋比古 ○
現実には2つあると、筆者はいう。物理的現実の第一次的現実と頭の中にある第二次的現実だ。この第二次的現実は、いわばアカデミズムのことなのだろう。そのためか、第一次的現実に根差した創像的思考の必要性を説く。当時とは時代が変わり、現在はそうした傾向が強くなっていると思う。