傑作を1枚残したまま行方不明:Finelines/My Vitriol【CD千本ノック 0102本目】


マイ・ヴィトリオールは、2001年だったかにサマー・ソニックで初めて見て、まさにひとめぼれしてしまったバンドである。サマー・ソニックが終わると、いそいそとCD屋に向かって、この『ファインラインズ』を入手した。

一枚しかアルバムがなかったこともあり、アタクシはこのCDを繰り返し聴いた。鋭く叩きつけるようなドラムとノイジーなギターによって、疾走感が生まれ、激しさとクールさが見事に調和した音楽が鳴っている。

バンドの紹介に際しては、「マイ・ブラディー・バレンタインとニルヴァーナの融合」とも表現されたようだ。実際に、バンドのフロントマンであるソム・ウォードナー(Vo&G、作詞作曲担当)は、「音楽面では、カート・コバーンが僕のヒーローだね。だって彼に触発されてギターを始めたんだから」と答えている。グランジとシューゲイザーのいいとこ取りした音楽と言えるかもしれない。

ただ残念なことに、このファースト・アルバム以降、彼らはあまり活動をしておらず、ある意味傑作を1枚だけ残して行方不明になってしまった感じなのである。音楽としての完成度も高く、アタクシ含めリスナーの評価も非常に良かったので、本当にもったいないと思う。何らかの形で復活してくれたら、また聴きたいし、応援したいのになあ。

Finelines/My Vitriol(2001)
1. Alpha Waves
2. Always: Your Way
3. Gentle Art of Choking
4. Kohlstream
5. Cemented Shoes
6. Grounded
7. C.O.R. (Critic-Oriented Rock)
8. Infantile
9. Ode to the Red Queen
10. Tongue Tied
11. Windows & Walls
12. Taprobane
13. Losing Touch
14. Pieces
15. Falling Off The Floor
16. Under The Wheels
17. All Of Me
18. Another Lie
19. Safety Zones And Crumple Zones

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