レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。
【短編小説】魚/リディア・デイヴィス ○
これも超短編。女が魚を料理し、食べられず、じっと見ているというシーンである。非常に面白いのが、人間のある個人の感情と魚からの視点という2方向の見方だ。魚は「完膚なきまでに蹂躙され」と表現しており、それはまさに魚視点であり、「する」と「される」は仕方ないことではあるが、対等なのである。
【詩・俳句・短歌・歌詞】かえる/谷川後太郎 ○
かえるという言葉を使った遊び的な詩である。とにかく、かえるが繰り返えされることもあり、自然とテンポが生まれるし、ユーモアさも感じられる。ただ、メッセージ性があるわけではないので、どうしてこれを読むのだろうと自分に問うてみると、正直、答えに窮してしまう。
【論考】数百万の個体/ロラン・バルト △
今回もよくわからなかった。人間の顔についての個性がテーマのようであるが、どの個所を読んでも、ほとんど意味をとることができなかった(自分には読解力、理解力がないのではないかと悲しい気持ちになる)。個性は、個体と個体とのあいだの、相互に何の特権ももたない、重屈折のある相違であるにすぎないのだそうだ。