今では珍しいことではないが、この曲の音源リリースはデジタルが先行しており、CDは1〜2週間遅れて発売されるスケジュールになっていたと記憶している。
アタクシはCDで発売されるものに関しては、基本CDで購入しようと思っていたので、「ビー・マイ・ラスト」を視聴して、すご〜くこの曲が気に入ったのだが、しばらくCD購入を待たなければならず、一人悶絶していたのだ。
「今回だけは、デジタル音源を先に買ってしまおうか?」と、何度も自分に問いかけた。もし今だったら二重購入になっても、すぐに買っていたかもしれないが、その時はデジタル音源を買うことにひどく心理的なハードルが高かったのである。
このようにアタクシは、宇多田ヒカルのたった一曲にたどり着くまで、ある意味無駄に待ったのであるが、この「ビー・マイ・ラスト」はそれだけの価値がある曲だった。
宇多田ヒカル本人のコメントに従えば、「Be My Lastは再生とか繰り返しとか、何かが始まって、それが育った時点でまた壊してとか、人生はそれの繰り返しで、それが辛いから終わってほしいなあっていう気持ちを中心にした歌詞」で構成されているようだ。
歌の冒頭でも「母さんどうして/育てたものまで/自分で壊さなきゃならない日がくるの?」と語られる通り、避けられない挫折に直面する人間の悲哀を、実に抒情的に歌っている。
もう「あーあーあーあー…」と旋律を歌う部分だけでも、哀しみがあふれてしまう。だからこそ、このCDは待ったかいがあったし、手に入れてからはもう何度もリピートして聴いてしまったのである。
Be My Last/宇多田ヒカル(2005)
1. Be My Last
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