ややあいまいな記憶だが、初めての洋楽体験はビートルズだったと思う。少し歳の離れたいとこのお兄さんがいすゞの117クーペに乗っていて、その車の中でビートルズのカセットテープを聴いたのだ。オリジナル・アルバムとかではなく、ビートルズ・ベスト的なテープで、今思えば海賊盤だったのかもしれない。
それからしばらく経って、思春期になって聴き始めたのが、デュラン・デュランやワム!、ハワード・ジョーンズだ。その時も、自分でアーティストを見つけてというよりも、同級生のクラスメイトに教えてもらって聴くようになった。当時は、友人のテープをダビングしたり、レンタル・レコード店(!)でレコードを借りてテープに録音して聴いていた(懐かしい…)。
なかでもハワード・ジョーンズは、アタクシたちの内輪で人気が高かったと記憶している。今ではシンセサイザーもありふれた音になってしまったが、その頃だと最新の音楽手法だったこともあり、かなりイケてるサウンドに思っていたのだ(カラフルな髪形は、当時からややダサいと思っていた)。
ただ、最新音楽を奏でていたハワード・ジョーンズも、気がつくとあまり聴かなくなっていた。意図的に離れていった覚えはないので、彼自身の活動が段々少なくなったのかもしれないし、アタクシが割と正統派ロックに傾倒していったからかもしれない。
それから数十年経った今、アタクシは渋谷のタワーレコードに行くと、例えばロック、ポップスのフロアにある棚を「A」から順に「Z」まで、CDを物色することがある。すると「ああ、お久しブリーフ!」と懐かしさあふれるアルバムに出会ったりする。この『かくれんぼ(Human’s Lib)』も、そんな一枚であった。
改めて「ニュー・ソング」や「ホワット・イズ・ラヴ」を聴くと、消えかかった当時の感覚が薄っすらと思い出されてくる。一方で、こうしたヒット・ソングを今体験しても、ちゃんと聴きごたえがあるというか、十分に楽しめると感じる。故きを温ねて新しさを楽しんでいるのではないだろうか。
もちろん現在に、ハワード・ジョーンズの音楽が大復活を期待しているわけではない。それでも、たまにこうした過去の流行歌、ヒット曲を聴くのは、アタクシの音楽体験を新しく、豊かにしてくれるように思うのだ。
Human’s Lib/Howard Jones(1984)
1. Conditioning
2. What Is Love?
3. Pearl In The Shell
4. Hide And Seek
5. Hunt The Self
6. New Song
7. Don’t Always Look At The Rain
8. Equality
9. Natural
10. Human’s Lib
11. China Dance
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