好きな人の名は言えない【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0054】


【短編小説】侵入者との会話/星新一
事態が二転三転するサスペンス。とは言え、出てくる犯罪者に、ちょっとしたコミカルさというか、抜けてる感じもあり、それほど切迫感はない。やはり星新一さんの世界観。なので、フィクションとして、箱庭を眺めているような読後感であった。

【詩・俳句・短歌・歌詞】練習問題/阪田寛夫
国語の練習問題のような語り口から、ポロッと「ぼく」の本音が垣間見える微笑ましい詩であった。いわゆる時的、文学的表現じゃない方が、伝わりやすいだろうなと改めて感じた。そうした意味では、読者フレンドリーな作品ではないか。

【論考】住まいについて/森本哲郎
日本人の住まい観は独特で、堅牢さはそこそこに、世の無常を前提とした住居だという。確かにそうだとは思うものの、筆者の論理展開がややくり返しに終始にしていて、スッと入ってこなかった。また、日本人の住まいの先にあるものを、提示してくれたら、論考としてもっとよかったように思う。