【短編小説】気前のいい家/星新一
細かく考えると、指定したカバンじゃないと防犯できないなど、欠点もあると思うが、よくできた話である。エヌ氏はますます繁栄していくだろと感じるものの、読者としては、何となくスッキリしない気分もある。どちらかー方がすべてを得るということに、納得できないのかもしれない。
【詩・俳句・短歌・歌詞】薔薇二曲/北原白秋
解説などを読むと、「ナニゴトノ不思議ナケレド」が、実は不思議だというところに、この詩の本質や意義があるという。もちろん、存在と生成に世界の不思議はあるのだけれど、私個人としては、最後の「光りコボルル」が一番印象に残った。光りがこぼれる不思議と言えばヨイのだろうか。
【論考】ふるさとについて/森本哲郎
私自身について言うと、親が転勤族だったため、ふるさとと言えるような場所はない。ましてや、田園と都市を対立的に語るのもやや抵抗感がある。帰るような場所があるのは、むしろ羨望に値するというのが正直なとこころだ。自身が根なし草に感じることも少なくない。