エラトステネス【原稿用紙一枚の教養#0011】


※『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』の各ページを400字程度で要約しています。

第2週第4日(木)
11 科学
エラトステネス

古代ギリシアの学者たちの多くが「世界は丸い」と考えていた。前3世紀になるとアレクサンドリア図書館の館長エラトステネスが、地球の大きさを測る方法を思いついた。

エジプトのシエネという町の近くに、夏至の正午になると、太陽が真上に来る井戸があった。一方で、その真北にあるアレクサンドリアでは、太陽光は斜めにさすに違いない。太陽が真上からずれている角度を測れば、地球の大きさを推定できるかもしれないと考えたのだ。

エラトステネスは、影の角度が、ふたつの町を地球の中心と結んだときにできる角度と等しくなることを知っていた。計測した角度を360度で割って、ふたつの町の距離が地球全周の何分の一になるかを計算した。その答えは50分の1。シエネとアレクサンドリア間の距離を50回歩けば、地球を一周したことになるわけだ。

あとは、ふたつの町の距離を正確に測って、50倍するだけ。エラトステネスは地球の全周を3万9700キロと推定した。今日も、2000年前にエラトステネスが考案したのと同じ原理が使われており、最新の装置で測定した結果、赤道の全周は4万75キロと推定されている。

【アタクシ的ポイント】
エラトステネスは「ベータ(=二流)」というあだ名をつけられていたそう。前人未踏なこと、イノベーティブなことをすると、かえって認められなくなるのではないか。