「Destroy Rock & Roll」ということだから、「ロックンロールをぶっ壊しちまえ」ということなのだろう。リリース当初は、ダンス・ミュージック革新の担い手という評価をされていたと記憶している。
このアルバムも、iMacか何かで、制作コストを10万円くらいしかかけずに作ってしまったのではなかったか。アイデア一つで、軽やかにロックンロールを解体しようとし、ヒットにもつなげたということだ。
例えば、タイトル曲の「ロックンロールを破壊せよ(Destroy Rock & Roll)」の歌詞は、マイケル・ジャクソンやマドンナなど、ロック・スターの名前を読み上げるだけなのだが、曲として聴くと、ちゃんと身体がムズムズする。ダンス・ミュージックとして、高揚感をともなったサウンドを鳴らしていたと思う。
ただ、発表から10年以上経った現時点から振り返ってみると、彼の音源はApple Musicにもないし、AmazonでもMP3は展開されていない。このアルバム以外のリリースもなかったようだ。
結果的には、一発屋だったということになるだろう。少なくともこのアルバムは、ダンス・ミュージックとして、今聴いてもそんなに悪くないと思うので残念だ。
それにしても、タイトルを考えるとたちの悪い冗談のような結末である。ロックンロールを壊そうとして、結局マイロ自身が砕かれてしまったのかもしれない。
Destroy Rock & Roll/Mylo(2004)
1. Valley Of The Dolls
2. Sunworshipper
3. Muscle Cars
4. Drop The Pressure
5. In My Arms
6. Guilty Of Love (’05 Version)
7. Paris Four Hundred
8. Destroy Rock & Roll (’05 Version)
9. Rikki
10. Otto’s Journey
11. Musclecar Reform (’05 Mixdown)
12. Zenophile (’05 Version)
13. Need You Tonite
14. Emotion 98.6
15. Soft Rock
16. Peach Melba
17. Destroy Rock & Roll (Tom Neville’s Clean Edit)
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