名盤揃いのゼップで荒削りな初期衝動を感じる:Led Zeppelin I/Led Zeppelin【CD千本ノック 0021本目】


レッド・ツェッペリンのアルバムは、もちろん全部持っているし、それなりに聴きこんでいる。名盤、名曲が多くて、キャリアを通してこれほどクオリティーを保てたバンドは、本当に数えるほどだと思う。まさに歴史に名を残すグループである。

繰り返しになるが、どのアルバムも粒ぞろいで、どれか一枚を薦めるとなると、結構人によってバラバラになるだろう。ただ、「ロックン・ロール(Rock and Roll)」や「天国への階段(Stairway to Heaven)」という超名曲を擁する『レッド・ツェッペリン IV』(このタイトルは便宜上で、正式なタイトル名は付けられていない)を選ぶ人が多いかもしれない。セールス的にもずば抜けて売れているようだ。

しかしながら、アタクシが「レッド・ツェッペリン、この一枚」を挙げるとすると、彼らのファースト・アルバム『レッド・ツェッペリン I』になる。別にひねくれているわけでも、天邪鬼なのでもない。『レッド・ツェッペリン IV』も大好きなアルバムではあるが、自分にとっては『レッド・ツェッペリン I』の荒削りな感じが、何よりグッとくるのだ。

アタクシ自身として、初めてきちんとレッド・ツェッペリンを聴いたのは、『リマスターズ』というベストアルバムだった。最初の曲が、このアルバムで7曲目の「コミュニケーション・ブレイクダウン」で、そのときの衝撃がずっと心に残っているせいかもしれない。『レッド・ツェッペリン I』には、初期衝動が詰まっている感じがして、あっという間に気持ちを持っていかれてしまうのである。

もちろん、レッド・ツェッペリンに駄作はないと思っているので、これ一枚ではなくすべてのアルバムを聴いてもらいたいのが本音だ。Apple Musicにも『The Complete Studio Albums』といって、9枚のスタジオ・アルバムをまとめたものもあるので、Apple Musicを利用している方は、全曲制覇にチャレンジしてほしいなぁと思う。

Led Zeppelin I/Led Zeppelin(1969)
1. Good Times Bad Times
2. Babe I’m Gonna Leave You
3. You Shook Me
4. Dazed and Confused
5. Your Time Is Gonna Come
6. Black Mountain Side
7. Communication Breakdown
8. I Can’t Quit You Baby
9. How Many More Times

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インドに影響を受けたグルーブの騎士たちが鳴らすロック:K/Kula Shaker【CD千本ノック 0020本目】


当時、アタクシは仙台に住んでいて「ベストヒットUSA」ではないけれど、地元の人が最新ロックを紹介するTV番組があった。クーラ・シェイカーに出会ったのは、その番組だったと思う。新譜として「グレイトフル・ホエン・ユーアー・デッド/ジェリー・ワズ・ゼア」が流れ、これはすごい新人が現れたと感じたのだ。

なので、バイト代が出たらすぐにお金をおろして、CD屋に走った。もちろん、ほかにもお目当てのアルバムはあったが、この『K』を本当に楽しみにしていて、確か発売当日に購入したので、初回限定盤のジャケットをゲットしている。そのころバイト代は、ほぼすべてCD代になっていって、少しだけ本を買うといった感じだった。

初回盤のジャケット。今ではなかなか手に入らないと思うが、もしCDを入手するなら、こちらがおススメ

アルバムを通して曲を聴くと、インドとロックの融合という感じ。「グレイトフル・ホエン・ユーアー・デッド/ジェリー・ワズ・ゼア」を聴くだけでは、インドへの傾倒ぶりをそれほど感じなかったが、全体を通すとかなり異端のロックに聴こえる。クーラ・シェイカーらしさというか、バンドの中心人物であるクリスピアン・ミルズらしさというか。

それから、あまりフィーチャーされることがないように思うのだが、クリスピアンのギタープレイは特筆に値するのではないだろうか。これだけスピーディーで、グルービーなギターが鳴らせるギタリストは、世界にも数えるほどしかいないと思っている。もしこの『K』をはじめ、クーラ・シェイカーの曲を聴く機会があったら、彼のギターにも注目してもらえるとうれしい。

K/Kula Shaker(1996)
1. Hey Dude
2. Knight On The Town
3. Temple Of Everlasting Light
4. Govinda
5. Smart Dogs
6. Magic Theatre
7. Into The Deep
8. Sleeping Jiva
9. Tattva
10. Grateful When You’re Dead / Jerry Was There
11. 303
12. Start All Over
13. Hollow Man (Parts 1 & 2)
14. Ragey One

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今も変わらず海辺に響くあのハスキーボイス:On The Beach/Chris Rea【CD千本ノック 0019本目】


クリス・レアの特徴は、ハスキーボイスとスライドギター。まさにいぶし銀のプレイヤーだ。まだまだ音楽を聴き始めたころのアタクシではあったが、タイトル曲にもなっている「オン・ザ・ビーチ」に出会ってすぐ好きになった。今思えば、玄人好みというか、おっさん臭いというか、10代の男子が好んで聴く曲ではないのかもしれない。

とにかく「オン・ザ・ビーチ」ばかり聴く感じではあったが、彼の渋いハスキーボイスやギタープレーが気持ちよかった。なので、すっかりファンになり、その後に発表された『ダンシング・ウィズ・ストレンジャー』や『ゴッズ・グレイト・バナナ・スキン』、『エスプレッソ・ロジック』、そして『ブルー・カフェ』くらいまでは、CDが発売されると買って聴いていたと記憶している。

ただ、段々と聴く機会も少なくなり、自分が持っていたCDを半分以下に整理したときに、彼のアルバムの大半を手放してしまったようだ。なので、今アタクシの手元にあるクリス・レアのCDは、残念ながら『オン・ザ・ビーチ』のみである。逆から言えば、このアルバムには思い入れがあり、どうしても捨てることができなかった。

だからこそ、リリースから既に30年以上過ぎている今でも、時々ではあるが『オン・ザ・ビーチ』を再生して、ハスキーボイスやギターを楽しんでいる。彼の音楽はそもそも、その時のトレンドや流行を意識した曲やアルバムではないせいか、いつも変わらずアタクシたちの心をきちんと揺らしてくれる。そのときが去年であっても、今日であっても。

On The Beach/Chris Rea(1986)
1. On The Beach
2. Little Blonde Plaits
3. Giverny
4. Lucky Day
5. Just Passing Through
6. It’s All Gone
7. Hello Friend
8. Two Roads
9. Light Of Hope
10. Auf Immer Und Ewig
11. Bless Them All
12. Freeway
13. Crack That Mould

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変幻自在のエレクトロ・ビートに漂う美しきウィスパー・ボイス:LP1/FKA twigs【CD千本ノック 0018本目】


「前衛的なのに穏やかな気持ちになる」「スローで静かなのにゾクゾクする」――。そんな相反する性格を併せ持つアルバムだ。

まず目に飛び込んでくるのは、ジャケットの水色と中心が真っ赤なFKAツイッグスの顔。ややポップでチープなイメージを与えるかもしれない。だが、実際にその音を耳にすると印象は一変する。アーティスティックで美しい歌声が、宇宙のような底が抜けた空間に漂い、拡散し続けるからだ。

この『LP1』において、魅力の核となるのはFKAツイッグスの、ウィスパー・ボイスだろう。アルバムを通して静かな曲調に変化はないが、退屈に感じることも、聴き飽きることも全くない。むしろ誰もが、彼女の声にずっと浸っていたいと感じるのではないか。

そして、彼女の歌声を支えるのは、浮遊感を感じさせながらも変幻自在にリズムを刻むエレクトロ・ビート。この通底音と共鳴するように、FKAツイッグスの声はさらに響き渡るのだ。

2015年のフジロック、大トリとして彼女のライブを見ている。そのアクトでは、美しい歌声だけでなく、独創的なダンスを見せてくれた。CDを聴くだけではわからなかったが、元々ダンサーとしてのキャリアもあるそうで、その身体の躍動によって、声だけではないアートを体現していた。

2015.7.26 SUN WHITE STAGE

LP1/FKA twigs(2014)
1. Preface
2. Lights On
3. Two Weeks
4. Hours
5. Pendulum
6. Video Girl
7. Numbers
8. Closer
9. Give Up
10. Kicks

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狂気の至福を指し示す「世界の音楽」:World Music/Goat【CD千本ノック 0017本目】


これまで誰も聴いたことのない、異形のサイケデリック・ミュージックを鳴らすゴート。北欧スウェーデンはコルピロンボロ出身の3人組だという。バンドに関する情報がほとんどなく、顔は覆面に覆われている。自らの正体を明かさず、外見は怪しい連中にしか見えない。

ただし、音はホンモノだ。アタクシの好みにバッチリ合っていると言った方が、より正確な表現になるだろうか。初めて彼らの音を耳にした際は、少し聴いただけで圧倒的なグルーブに包まれ、「これはアルバムを通して聴かなければならない」と、瞬間的に熱に浮かされてしまったのである。

この『ワールド・ミュージック』が、彼らのファースト・アルバム。呪術的で不穏なリズムが打ち鳴らされ、絡みつくようなギターが響き、叫びにも似た女性ボーカルの声が、さらにその上に重なっていくのだ。

遠い北極圏から発せられたからだろうか、どのサイケデリック・ロックとも違った感触を持ったオリエンタル・サウンドは唯一無二の存在感を示す。誰もが受け入れやすい音ではないが、コアな音楽ファンには、きっと熱狂的に迎えられるはずである。

アルバム全体で曲数も9曲しかなく、時間にしてもわずか37分間。ゴートが紡ぎ出す混沌としたトリップ感に投げ込まれたら、そのアフリカンビートに切り刻まれているうちに、あっという間に最後まで駆け抜ざるをえない。しかも、この狂気の至福を一度体験してしまうと、「もっともっと」とゴート中毒症状に見舞われるだろう。

World Music/Goat(2012)
1. Diarabi
2. Goatman
3. Goathead
4. Disco Fever
5. Golden Dawn
6. Let It Bleed
7. Run To Your Mama
8. Goatlord
9. Det Som Aldrig Förändras / Diarabi

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何百回聴いても飽きない、ある晴れた日の歌声とギター:Complain Too Much/Port Of Notes【CD千本ノック 0016本目】


このアルバムと出会ったのは、渋谷のタワーレコードだった。時期は定かではないものの、タワレコに行くたびにこの紫色の印象的なジャケットが目に入り、ある意味根負けするような感じで購入したのだ。

アタクシが粘り負けしたくらいなので、かなり長い間レコメンドされ続けていたと思う。しかも、日本人アーティイストにかかわらず洋楽コーナーでプッシュされていたのではなかったか。

ポート・オブ・ノーツは、ヴォーカルの畠山美由紀とギタリストである小島大介とのユニットだ。CDを聴いてすぐに心を奪われたのは、穏やかで愁いのある畠山さんの声。これだけ潤いのある歌声はそうそう聴けないと思う。そして、その声を生かすように絡み合うギターが何とも心地よかった。

1999年のリリースということもあって、アタクシ的には、最も繰り返し聴いている日本人アーティストのアルバムになる。それこそ、何度も何度も飽きることなく聴いてきたのだが、よく晴れた休日の午後に聞くことが多かった。何とも心穏やかになるし、そよ風を感じながら散歩しているような気分になれるからだ。

そういえば、自分の結婚式の披露宴で流すBGMにも、1曲目の「ユー・ギブ・ミー・ア・ラブ」を使わせてもらった。また、3曲目の「ウィズ・ディス・アフェクション」は、2001年ころPOLAのCMに使用されていたので、この曲を聴いたことがある人は少なくないはずだ。

デュオとして解散はしていないようだが、今はそれぞれが別々に活動している。アタクシは特にヴォーカリストとしての畠山さんに注目しており、リリースされるものをずっとフォローしてきた。それはそれで、艶のある歌声を堪能して満足している。ただ、名盤である『コンプレイン・トゥー・マッチ』を目の前に差し出されると、ポート・オブ・ノーツにしか鳴らせない音楽があると思うし、新たな音も聴いてみたくなってしまうのである。

Complain Too Much/Port Of Notes(1999)
1. You Gave Me A Love
2. Like I Lay Down
3. With This Affection
4. Its Gonna Never Change
5. 僕の見た昨日
6. Hope And Falsity(Noble)
7. Unknown Language
8. エクリール
9. 風の向こう(Wicked Bass)
10. スーパーラビット
11. Complaining Too Much
12. 雨降る夜

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テイラー・スウィフトが「こちらに見せようと思っている姿」:Reputation/Taylor Swift【CD千本ノック 0015本目】


「何だこりゃ」と思ったのが、このアルバムを初めて聴いたときのアタクシの素直な感想だ。2013年に発表された前作『1989』を、個人的には歴史に残るポップ・アルバムだと感じていたので、期待しすぎていたのかもしれない。

『1989』では、「シェイク・イット・オフ」をはじめ、誰もを虜にするような楽曲を数多く披露するだけでなく、圧倒的なスケール感のある音を鳴らしていた。

実際に、当時保育園に通っていたアタクシの2人の小さな子どもも、「シェイク・イット・オフ」を聴かせろと何度もせがみ、踊りまくっていた。老若男女を問わず、聴き手を魅了し、熱狂させている現実を見て、テイラー・スウィフトはとうとう真のポップ・クイーンになったなと思った。その彼女がリリースするニューアルバムと思ったら、ワクワクせずにはいられなかったのだ。

アルバムタイトルの『レピュテーション』は、日本語にすると「評判」という意味だ。今作の序文では、彼女自身が次のような言葉を寄せている。「誰かのことを分かっていると思っていても、実際それは、その人がこちらに見せようと思っている姿だということ」。

そうした、ややシニカルなスタンスだからなのか、これまでの伸びやかな歌声はほとんど表に出さず、エレクトロニック・サウンドやヒップ・ホップの手法が前面化した曲が続いていく。

落ち着いて、何度かアルバムを聴いてみると、音づくりは丁寧で、気合いもこもっている。決して手を抜いたわけではないようだ。それでも、全体的にはかなり地味な印象を持たざるを得ないし、何より残念に思ったのは、テイラー・スウィフトならではの音、彼女にしか歌えない歌だとは感じられなかったことである。

これが本当に、テイラー・スウィフトが我々に見せようと思っている姿だとしたら、『レピュテーション』というアルバムからどんな「評判」が生まれるのだろうか。それこそが、聴き手に問われているように思えてならない。

Reputation/Taylor Swift(2017)
1. …Ready For It?
2. End Game
3. I Did Something Bad
4. Don’t Blame Me
5. Delicate
6. Look What You Made Me Do
7. So It Goes…
8. Gorgeous
9. Getaway Car
10. King Of My Heart
11. Dancing With Our Hands Tied
12. Dress
13. This Is Why We Can’t Have Nice Things
14. Call It What You Want
15. New Year’s Day

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DJシャドウを音楽史に刻む珠玉の名作:Endtroducing……/DJ Shadow【CD千本ノック 0014本目】


どうしてDJシャドウを手にしたのか、自分でもよく覚えていない。ジャケ買いだったのか、ロック以外の少し別のジャンルを聴いてみようとしたのか――。だからいつどこで、この「エンドトロデューシング……」に初めて触れたのか、正直に言って記憶がないのだ。

それでも、このアルバムの音を聴いたときの衝撃はよく覚えている。当時、アタクシにはギターロック至上主義の考えがあって、それほどヒップホップを聴いていたわけでもなかったはずだ。だから、ジャンルや音楽手法にやや距離感があったものの、美しい旋律、メランコリックさ、ビート感、どれもが今まで聴いたことのない、磨き抜かれた音を響かせていた。

20周年記念盤が出るほど、今ではもう「古い昔のアルバム」であるが、アタクシにとってはヒップホップだけでなく、音楽シーンに残る傑作だと思っている。これからも色あせることなく、多くの人を魅了し続けるアルバムではないだろうか。

「エンドトロデューシング……」は、DJシャドウにとってファーストアルバム。ずっと彼のリリースを追いかけた身としても、残念ながらこれを超える作品は出せていないように思う。特にインタビューなどを読んだわけではないが、ある種の十字架になってしまっていなかと感じる。それほど圧倒的な、歴史に残る音の記録なのである。

Endtroducing……/DJ Shadow(1996)
1. Best Foot Forward
2. Building Steam With A Grain Of Salt
3. The Number Song
4. Changeling **Transmission1
5. What Does Your Soul Look Like (Part 4)
6. (no title)
7. Stem / Long Stem **Transmission2
8. Mutual Slump
9. Organ Donor
10. Why Hip Hop Sucks In ’96
11. Midnight In A Perfect World
12. Napalm Brain / Scatter Brain
13. What Does Your Soul Look Like (Part 1 Blue Sky Revisit) **Transmission 3
14. Red Bus Needs To Leave
15. In/Flux


乱反射する音が私たちを照らす先:Mirrored/Battles【CD千本ノック 0013本目】


ジャケットには鏡張りの部屋に置かれたドラムなどの演奏道具。少し大げさに言ってしまえば、異様な光景とも思えなくもない。

ロッキング・オンでプッシュしていたこともあり、彼らのCDを手に取ったと記憶している。それでも、最初はその音にピンとこなかったのが正直なところだ。せっかくCDを買ったものの、1回聴いてそれでおしまいという感じになってしまっていた。

ただ、そんな感じで過ごしていたが、気づくとアタクシにとって重要なアルバムになっていた。矛盾して聞こえるかもしれないが、やはり音の力なのかもしれないなと思う。

当初ピンとこなかったバトルズであるが、今やとても注目しているアーティストである。アルバム発売の情報を聞くと、どんな音を届けてくれるのだろうと気になっている。というのも、とても身体性の高い音楽を鳴らし続けているからだ。バトルズの音を聴くと、そのままやり過ごすのは難しい。誰もが踊り出さずにはいられないのではないだろうか。

この『ミラード』というアルバムの中で、何と言っても注目すべきなのは2曲目の「アトラス」だ。各音楽メディアが髙く評価したのはもちろん、何とも心地よくのれる曲なのである。

本来なら、アルバムのすべてを聴いてもらいたいのであるが、どうしてもエッセンだけ知りたいという方は、この曲を聴いてみてほしい。YouTubeのリンクも掲載しておくので、ノリノリになっても困らない場所で聴いてみて、彼らの音の力を感じてみてもらいたい。

Mirrored/Battled(2007)
1. Race:In
2. Atlas
3. Ddiamondd
4. Tonto
5. Leyendecker
6. Rainbow
7. Bad Trails
8. Prismism
9. Snare Hangar
10. Tij
11. Race:Out
12. Katoman


今でも頭になり響くピンク色のギターノイズ:This Is Our Time/The Big Pink【CD千本ノック 0012本目】


『ディス・イズ・アワー・タイム』は、イギリスのロンドンで結成されたインディー・ロックバンド、ザ・ビッグ・ピンクの日本独自企画盤のEPである。日本限定リリースということもあってか、今では恐らくCDも中古しかなく、Apple MusicやAmazonでも配信されていないようだ。

ザ・ビッグ・ピンクというバンド名は、70年代に活躍したザ・バンドのデビューアルバム『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』から取られたという。もちろんアタクシは、このザ・バンドのアルバムも好きだし、後世に残る名盤だと思っている。

さて、肝心のザ・ビッグ・ピンクであるが、ポストロックに位置づけられるようだ。アタクシはカテゴリーを気にせず(あるいは、わからずに)聴いているので、ポストがついてもつかなくても構わない。要はノイジーなギターの旋律と耽美なメロディーがとても気に入っている。1曲目の「ベルベット」を聴いたときなどは、圧倒的な衝撃を受けて、このCDを何度も繰り返し聴いた。

自分にとってはかなり特別なバンドで、このEPだけでなく、ファーストアルバムである『ブリーフ・ヒストリー・オブ・ラブ(Brief History of Love)』なんかも、心に残って忘れられないCDになっている。どちらのCDジャケットも格好よかったりと、ビジュアル面でのインパクトもあるが、性格が根暗なためだろうか。

アタクシ個人にとって、ザ・ビッグ・ピンクはトップランクにいるバンド、アーティストなのである。だが、世間的にはそれほど売れていないし、あまり知られていないのが現実。『ブリーフ・ヒストリー・オブ・ラブ』に収録されている「ドミノス(Dominos)」がややヒットしたくらいかもしれない。「何だかもったいないな」というな思いが強く、微力ながらも強くプッシュしたいのだ。ドスコイ、ドスコイ。

This Is Our Time/The Big Pink(2009)
1.Velvet
2.Too Young To Love
3.Crystal Visions
4.Introduction To Awareness
5.Velvet(BDG Remix By Gang Gang Dance)
6.Velvet(Mount Kimbie Remix)
Video 1.Too Young To Love
Video 2.Velvet