フジロックの魅力の一つに、それまで知らなかったアーティストとの新たな出会いがあるだろう。きっかけは必ずしも、ライブを観たからばかりではなく、色々な経緯がある。アタクシがとても印象に残っているのは、ゆらゆら帝国だ。
時は、恐らく2000年だったと思う。彼らの音を、アタクシが初めて聴いたのは、苗場に向かう車の中。全然記憶が定かではないのだけど、多分友人が持ち込んだCDだったように思う(カセットテープだったかな)。正直、最初はそれほど好きになれなかったのだけど、何度か聴いているうちに、段々と癖になってしまっていた。
なので現地に着いて、友人からゆらゆら帝国を観たいと言われたときに、いそいそとレッドマーキーについて行ったのだ。場所は左側だったけど、運よく結構前方に陣取れた。立ちながら開始時間を待っていると、何とアーティスト本人が楽器のチューニングをしているではないか。多分、これも初体験のことで、とても驚いた覚えがある。
最終的にやられた~と思ったのは、実際にライブの音を聴いたときだ。やや個性的な見た目のスリーピースバンドが、音圧の高いロックをタイトな演奏で鳴らしている。その音にちょっとオールドな粉がかかっているけど、グイグイとドライブしていく感覚があった。癖になるだけでなく、すっかりファンになってしまったのだ。
苗場から戻ってくると、発売済みのCDを買いそろえ、以降新譜が出るたびに購入するようになった。一度だけだけど、恵比寿の単独公演にも行ったけ。友人が音源を持ってきていなかったら、出会わなかったかもしれないけど、結局解散するまで追い続けたバンドになった。ちなみに、アタクシ的には後期よりも、初期のころ「3×3×3」「ミーのカー」「ゆらゆら帝国III」辺りのアルバムが好みである。