レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。
【短編小説】通話時間 4時間49分3秒/島本理生 ○
お洒落な文体。ただ、私自身は好きではない。人の息使いのようなものが、まり伝わってこないからだ。小説の内容は、ふとしたきっかけでかかってきた電話で、気づけば5時間近く話し込んでしまったというもの。コロナによって、人とのつながりが疎遠になっている状態を前提としているようだ。個人的には、電話代は大丈夫なのかと思ってしまった。
【詩・俳句・短歌・歌詞】父に/江國香織 ◎
言葉や文章を飾り気はないものの、胸に迫るものがあった。詩というよりも、何か人が思わずつぶやいたことを、無心に書きとめた感じでもある。人は永遠に生きつづけられない。父や母も死ぬが、いつか私も死に、そのまた先では、子どもたちも死を迎えるだろう。それは悲しみではなく、摂理なのだ。
【論考】水と破片/ロラン・バルト △
タイトルは水と破片だが、日本料理について述べられている。「食膳は一幅の絵に似ている」と「《筆致》という肉体と開係する性質」が、日本料料理の特質だという。そうは言われても、難解な表現なので、頭の中で具体的なイメージは浮かばない。その他の部分も、いつも通り、いくら読んでも理解が進まなかった。