ベルクソン【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#109】


【4月18日】ベルクソン:1859.10.18~1941.1.4

不意に目の前に差し迫った死の威嚇が現れてきた人びとには、崖から下へ滑る登山家や水に溺れる人や首を吊った人には、注意の急激な転換が生ずることがあるようです。――それまで未来に向けられて行動の必要に奪われていた意識の方向が変わったために、突然それらに対して関心を失うようなことが起こるようです。それだけでも十分に「忘れていた」何千という細かい事が記憶によみがえり、その人の歴史全体が目の前に動くパノラマとなって展開するのです。(「変化の知覚」)

『思想と動くもの』河野与一訳、岩波文庫、1998年

【アタクシ的メモ】
死の間際のいわゆる「走馬灯」、過去の様々な記憶がフラッシュバックすることを言っているのだろうか。それにしても、ベルクソンはどうしてここまで走馬灯を明言できるのか。