【3月24日】ラスキ:1893.6.30~1950.3.24
一口にいえば、キリスト教が解決しようとした問題は、一方には貧民における貧困の存在と、他方には富者の富を侵犯から防衛する国家権力と、この二つをいかに和解させるかということにあった。そしてその問題を、一切露骨に本質だけをいえば、彼等は、貧民たちに、富者には困難な来世の救済を約束することによって、解決したのであった。
『信仰・理性・文明』中野好夫訳、岩波書店、1951年
【アタクシ的メモ】
貧しい人たちに対して、来世はきっと救われると説くことで、現状を納得してもらい、貧困と富の分断を継続させたということだろうか。それであれば、非常に皮肉な物言いであるし、やはりニーチェによるキリスト教批判を思い起こす。