【3月20日】ライト・ミルズ:1916.8.28~1962.3.20
いかなる保守主義的イデオロギーをも持たぬ保守的な国家であるアメリカは、今や、むき出しの、恣意的な権力として、全世界の前に立ち現れている。その政策決定者たちは、現実主義の名において、世界の現実について気狂いじみた定義を下し、それを押しつけている。精神的能力においては第二級の人物が支配的地位を占め、凡庸なことを重々しくしゃべっている。そこでは自由主義的言辞と保守的ムードが蔓延し、前者では曖昧さが、後者では非合理性が原則となっている。
『パワー・エリート』(下)、鵜飼信成・綿貫譲治訳、東京大学出版会、1958年
【アタクシ的メモ】
書かれた当時の世界状況は、あまり定かではないが、アメリカが「世界の警察官」として、ある種覇権を握り始めたころの指摘であろうか。前者と後者と表現を分けているが、曖昧さと非合理性って結構似通っているようにも思うのだった。