レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。
【短編小説】ママ/ルシア・ベルリン ○
姉妹二人が、母親について回想する。その母親は、愛という言葉が嫌いだったり、一筋縄ではいかない性格だったようだ。ロ々に思い出が語られていくなかで、その存在が蘇るのだろう。妹は最後に「愛してるって伝えたい」となるが、姉はそうならない。姉妹でも母親のとらえ方はまちまちなのである。
【詩・俳句・短歌・歌詞】人間に与える詩/山村暮島 △
太い根のある樹木、大木を、人は見習えということか。ただ、そうだとしても、人間にとっての「根」とは何を指しているのだろうか。特に言及がないので、分からない。人間に与える詩と言っているので、人に対して語りかけているのだろう。しかし、その主旨が不明というのが正直な感想である。
【論考】社会/池田晶子 ◎
「社会」という確固たるものが存在するわけではない。複数の人間の集まりにつけられた呼び名にすぎない、と筆者は説明する。いやその通りだと思う。その前提から、自分はどうやって生きるのか、人間の集まり(=社会)にどう働きかけるのか。そうした自分の意志が問われている。