痛みはぜんぶ本当【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0082】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】ファントム・ペイン/ルシア・ベルリン ○
題名のファントム・ペインは、幻肢痛のこと、切断した四肢などの感覚や痛みを感じることを指すようだ。この短編は、ボケてしまった父親と娘の物語(あのモイニハン家の話のようだ)。時系列の記述でないこともあり、理解しづらい部分も多かった。ただ、「痛みはぜんぶ本当」ということが言いたかったのだろう。

【詩・俳句・短歌・歌詞】春の問題/辻征夫 △
この詩で言いたいことを理解できなかった。春に際して悠久の時を想い、原始時代までさかのぼる視線は素晴しいと感じるものの、そこに「問題」があるとは思えなかったし、春だけ取り上げる意図も分からなかった。「きみ=ぼく」という記述も、唐突に響いた。

【論考】自適について/森本哲郎 △
自適とは、のびのでした気持ちで楽しみながら暮らすこと。この論考では、あまり働きすぎにならず、中庸を重んじることで、「人生の最もすばらしいもの」が手に入るという。それは間違いではないだろうが、最もすばらしいものと言ってしまうと、それの手に入れ方は、人それぞになってしまわないだろうか。