その瞬間、ここに存在すること【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0053】


【短編小説】ひとつの目標/星新一
何かに追われるように人を探す。人を探し出すことで、自らが救われるようだ。謎めいた人探しにつき合っていると、命をかけた大がかりな鬼ごっこだったことが明かされる。何だそりゃーというのが最初の感想。成功すれば特権階級になれるようだが、それでも一年かけて人を探したり、逃げたりするだろうか。

【詩・俳句・短歌・歌詞】ぼくが ここに/まど・みちお
その瞬間、ここに存在しているのは唯一であると、以前気づいて、ちょっと驚いたことがあった。この詩はその驚きを、「だいじにみもられているのだ」「なににもましてすばらしいこと」としている。存在するだけですばらしいかどうかは置いておいても、存在者からすると守られていると思うべきだろう。

【論考】母なる自然について/森本哲郎
『遠野物語』に興味は持てたが、自然と都会の対立構造や「母なる自然」のような定型的な母性の美化は、ちょっと違和感を持った。論考全体としても、物語やストーリーの紹介が多く、論理展間よりも情緒的な説明に終始していた印象である。