天神山の記憶(6)【フジロックGO #0008】


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レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの演奏が終わると、アタクシは我にかえった。ビニール袋で作ったお手製のカッパを、勢いで投げ捨てており、ずぶ濡れになっていたからだ。後先考えずに行動したことを反省しても、後悔先に立たず。仕方なくステージ前から移動しつつ、「フジロックすげーな」みたいな感慨を噛み締めていた。

やや呆然としながらはけていると、誰かに後ろから押され、その勢いで前にいた金髪の女性にぶつかってしまった。「あんた、痛いじゃないの」と英語で言われて、恐縮しながらも「何だよ、俺のせいじゃないのに」と言い返したかったが、英語がしゃべれないこともあって、実際には黙っていた。ロックフェスって、こんな風に殺伐とするものなのかと、小さな疑念も生まれた。

友人とアタクシは、テントに戻ることにした。このまま外にい続けるわけにもいかず、狭いながらも、雨風から逃れられる場所を選択したのだ。その後の報道で知るのだが、多くの参加者は着の身着のままで来場しており、とにかく行き場に困っていたそうだ。