まだ尽きぬ初期衝動でシャウトも増し増し:Here And Nowhere Else/Cloud Nothings【CD千本ノック 0082本目】


クラウド・ナッシングスとして、『アタック・オン・メモリー』に続く3枚目のアルバムが『ヒア・アンド・ノーウェア・エルス』である。

ライナーノーツによれば、ボーカル、ギターのディラン・バルディは、前作でやっていた“ポップ・パンク”とは対立するものとして、今作を“ロック・アルバム”と呼びたいと、語っているようだ。

ただアタクシ的には、2枚目から3枚目の一番大きな変化は、(グランジ的な)ロックから、よりパンクっぽい立てノリ感が高まったこと。なので、アタクシが感じたことと、アーティスト本人の認識は真逆なのかもしれない。

コトの真偽は、実際にアルバムを聴いたそれぞれの人の判断に任せたいが、いずれにせよ前作よりも今作の方が、ドライブ感というのか、前のめりな音楽になっているように思う。確実に、シャウトも増し増しだ。

こうした変化は結構珍しくて、アーティストというのは段々と落ち着いていったり、初期衝動だけで音楽をやりくりできなくなってしまうもの。だが、クラウド・ナッシングスについては、どんどんと初期衝動が高まっているように聴こえる。少なくとも2枚目より、3枚目の方がアチチなのだ。

なお、国内盤CDを購入すると、5曲のボーナストラック(ライブ・バージョン)が聴ける。彼らの熱い生の叫びに触れたい方は、こちらの方がコストパフォーマンスが高くなるかもしれない。

Here And Nowhere Else/Cloud Nothings(2012)
1. Now Hear In
2. Quieter Today
3. Psychic Trauma
4. Just See Fear
5. Giving Into Seeing
6. No Thoughts
7. Pattern Walks
8. I’m Not Part Of Me
9. Now Hear In (Live At Baby’s All Right)
10. Just See Fear (Live At Baby’s All Right)
11. Pattern Walks (Live At Baby’s All Right)
12. Separation (Live At Baby’s All Right)
13. Stay Useless (Live At Baby’s All Right)

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