早くわたしの心に橋を架けて【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0171】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】秋のゴキブリ/リディア・デイヴィス ○
ゴキブリについて、数行程度の記述がくり返される。これは明らかに小説らしくない。物語ではなく、ゴキブリの感想、意見表明といったところだろうか。その中で、私が気になったのは、「彼はまるで厚みをもった影だ」という文。どうして人が、それほどゴキブリを気にするのかを、端的に表現している気がする。

【詩・俳句・短歌・歌詞】あほらしい唄/茨木のり子 ○
「あほらしい」とは言っているが、男性に対する愛の詩である。「早くわたしの心に橋を架けて」と願う部分は、とても異色だと思うし、興味深いと感じた。今とは時代が違い、女性から積極的にアプローチしないことを前提にしているせいかもしれない。ただ、もし愛情を感じるなら、本来待つ必要はないのだ。

【論考】孤独の妙味/池田晶子 ◎
改めて読んで、筆者のメッセージを一言でまとめることに難しさを感じた(誰かに頼まれているわけでもないのだが…)。スッキリと文章を理解できているわけでもないし、そもそも単純にまとめられる主張でもないからだ。それでも、一文だけ引用するとなると、「宇宙は自分として存在する」であろうか。自分という存在の不可思議さのしっぽをつかんだだけのようではあるが。