レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。
【短編小説】廿世紀ホテル/森見登美彦 ○
不条理とは言わないものの、フィクションで何でもありの設定。そうした話は、ちょっと食傷気味になっている。この小説のテーマは、20世紀は理性(科学)の世紀であり、それが一見成功したように見えるが、実どうなのだろうという疑問を呈しているのか。シニカルな終わり方はしていないが、それほど20世紀への肯定感もなかった。
【詩・俳句・短歌・歌詞】しずかな夫婦/天野忠 ○
詩というよりも、エッセーに近い気がする。それくらい、等身大で身近な内容が、書かれていると感じた。生きていて美しく感じる時間はほとんどなかったのかもしれないが、気負わず、地道に生きている姿にホッとする。絵に描いたような幸福は、きっとどこにも存在しないのだろう。
【論考】テーマと題名/外山滋比古 ○
論文などで、どのような表題をつけるのか。筆者は題名ですべて語らないほうが、読みたくなるのではないかと述べている。ただ現在は、情報が多すぎるので、少ない文字数でできるだけ内容を盛り込む方がヨイと思っている。また情報構造として、ツリー型になるから、表題にすべてがまとめられるというのは、その通りだろう。