恋を見たことある?【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0168】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】母親たち/リディア・デイヴィス △
とても短いからというだけでなく、小説(ストーリー)というよりも、エッセーのような内容、どんな人でも母親がおり、そして母親あるあるが述べられ、つねに周囲から見られて、語られると終わる。エッセーみたいと書いたが、エッセーなら成立しているかもしれないが、小説としては要素が不十分に感じる。

【詩・俳句・短歌・歌詞】小さな恋の物語/寺山修司 ○
「恋を見たことある?」という質問から始まる。改めて聞かれると、詩に書かれた通り、恋を見たことはないのである。形も、色も、匂いもないのだ。恋はどこかに存なしているのだろうが、目に見えたり、物理に知覚することはできない。この詩ではおばけにたとえているが、それくらい目に見えないものは力強いのだろう。

【論考】人生は量ではなく質/池田晶子 ○
「死は言葉としてしか存在しません」。筆者が言う通り、死体から「死」を取り出せないのだ。「生命は有限であるからこそ、価値がある」とも語る。死を忌避して、遠ざけるのではなく、死とは何かを、自分の頭で考える必要があるのだろう。永遠の命などないのだから。