レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。
【短編小説】W・H・オーデン、知人宅で一夜を過ごす/リディア・デイヴィス ○
とても短い短編小説。彼(=W・H・オーデン)は、寝むる際、恐らく一般的な上掛けだけでは物足りず、他人宅のカーテンやじゅうたんを必要としてしまう。その強迫観念的な行動の理由は、ほとんど説明されない。寒いというが、 じゅうたんをひっぺがし、掛けるのは尋常ではなく、奇妙な行動の真意は不明なままストーリーは終わってしまうのだった。
【詩・俳句・短歌・歌詞】たし算/寺山修司 ○
詩の中で示されるのは、数学のたし算と、生き物や事柄、物のたし算。確かに数学では、たった一つの数字の解答しか導きだせない。リスと木の実や、ぼくときみのたし算だったら、その答えは、数字では表現できないだろうし、結果としてはかけ算のようになるだろう。
【論考】考えることは驚きから/池田晶子 ○
いくつも気になる文言があったが、生命が手の及ばない不思議だったから価値があり、自由になれば価値ではなくなるという件は、非常に現在的な問題を指摘していると思った。また、「快適に生きる」と「よく生きる」は違うというのは、いつもの池田節ではあるが、ハッとするのだ。