昨日はどこにもありません【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0143】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】旅の熱/高山羽根子 △
小説、ストーリーというより旅のエッセー、日記のような文章。一人称形式で書かれているが、私も僕も出てこないこともあり、人の顔が浮かび上がってこない。時間軸もあちこち行ってしまうし、淡々とした書き方で、体温や熱も感じられなかた。せっかく読んでいるのだから、ほんの少しでも心ない動く箇所があるとよかった。

【詩・俳句・短歌・歌詞】昨日はどこにもありません/三好達治 ○
タイトルである「昨日はどこにもありません」を、何度も繰り返す。ぼんやりと共感するというか、言いたいことが分かるような気もするが、作者のメッセージがビビッドに伝わってくるわけではない。「今日」や「今」だけが、存在すると言いたいのだろうか。ある瞬間は、まさにその瞬間だけ存在し、そしてすぐに消滅すると主張したいのだろうか。

【論考】中心のない食物/ロラン・バルト ○
筆者は、日本料理には《中心》がないと指摘する。食べる順番なども決まっておらず、断片のコレクションにすぎないという。そして、その例として《すき焼き》を取り上げる。なまの材料が持ち込まれ、食卓で調理される点も《中心》のなさのようだ。料理の「作る」と「食べる」が一緒くたなのも日本独自だと述べている。