【3月22日】丸山真男:1914.3.22~1996.8.15
自由は置き物のようにそこにあるのでなく、現実の行使によってだけ守られる、いいかえれば日々自由になろうとすることによって、はじめて自由でありうるということなのです。その意味では近代社会の自由とか権利とかいうものは、どうやら世界の惰性を好む者、毎日の生活さえ安全に過ごせたら、物事の判断などはひとにあずけてもいいと思っている人、あるいはアームチェアから立ち上がるよりもそれに深々とよりかかっていたい気性の持主などにとっては、はなはだもって荷厄介なしろ物だといえましょう。(「「である」ことと「する」こと」)
『日本の思想』岩波新書、1961年
【アタクシ的メモ】
自由だけでなくほとんどの事柄、状態は、元から存在しているのではなく、人々の行動によって生成されるのだと思う。