レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。
【短編小説】彼と私の本棚/角田光代 ◎
私とハナケンは、互いの本棚を通じて、恋人としてのつき合いを深めていた。読書好きの人からすると、とてもよく分かる状況。でもそれは、恋愛における必要条件ではないから、ハナケンに別な好きな人が現れ、分かれることになる。「私」は、なかなか割り切ることができずにいたが、過去の豊かなつき合いが無駄になるわけではないから、新たな生活に力強く進んでもらいたいと思った。
【詩・俳句・短歌・歌詞】虹/まど・みちお △
人間は空を汚してしまった。でも、他の生き物たちのために、「虹は出て下さっている」のだという。私は、こうした人間対自然、人間対他の生き物という対立構造は、あまり好きではないし、事実でもないと思う。人間は他の生手物たちとは違っているが、人が生きていること自体は自然の一部であるだろう。
【論考】幸福/池田晶子 ◎
私自身、感謝の気持ちは持っているものの、幸福感に乏しく、不幸気質だと思っている。「すべての人が幸福を求めている」「幸福とは自分の心のありようそのもの」と改めて明言されると、自分は幸福が取到来するものだと思いすぎていたことに気づく。私の心が今ここにあるからこそ、すぐにでも幸福になれるのだ。