誰も“同じ川”には入れない【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0081】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】最初のデトックス/ルシア・ベルリン ◎
「わたしの騎手」ほどではないが、これも短い物語。アルコール中毒になってしまった女性が、車で事故を起こしてしまった話だ。一週間ほど入院をして、退院するのだが、その先に薄い光が見えつつも、タイトルの「最初」という言葉からも、やや不安のある暗い将来も感じられる内容だった。そうした、未来を見通せない感じがよかった。

【詩・俳句・短歌・歌詞】生きる/谷川俊太郎 ◎
生きるとは、小さな営みをくり返すということ、とても多様で、正解があるわけではないこと、ときに大きなことを成し遂げ、高い視座を獲得できること、一方で人はいつでも俯瞰できることを、流れるように語ってくれたと思う。また、谷川さんの詩には人の熱というか、暖かい視線をいつも感じる。

【論考】万物流転について/森本哲郎 ○
ヘラクレイトスが「ある」という見方を「なる」という見へ変えたという点については、同意するし、存在だけでなく生成について問うたことは、とても重要な視点だと思う。ただ、この論考では、ヘラクレイトスの紹介が中心で、万物流転に関する言及が少なく、そこが物足りなかった。