おお 雨の音 雨の歌【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0040】


【短編小説】程度の問題/星新一
疑り深いスパイ、エヌ氏の物語。一方でのん気なスパイも失敗に終わる。読み終えると「確かに程度の問題だな」と思う。しかし、実際に現場で仕事をしていると(もちろんスパイ活動ではないが)、どの程度にすればヨイのか、なかなか判断が難しい。人というのは思った以上に、俯瞰して物事を見られないのである。

【詩・俳句・短歌・歌詞】都に雨の降るごとく/ポール・ヴェルレーヌ
訳のおかげか語感がとても気ちよく、それだけで読みたくなる感じだった。個人的には「おお 雨の音 雨の歌」の行で、ギアが上がる感覚にグッときた。ホップ、ステップ、ジャンプみたいな。詩全体としては抽象度が高いので、虫の目のような、ミクロな視点があってもよかったのでは。

【論考】忘却について/森本哲郎
筆者の意見は、「日本は過去を大事にせず、新しいものばかりに目を向ける」といったところだろうか。確かに、建物などはスクラップ&ビルドで新築にしか価値を認めない傾向がある。ただ、たまたま読んだ教養書によれば、正月は歳神様を迎える祝い事で、歳神とは先祖たちのこと。そう考えると、日本も過去を大切にしているように思う。