天神山の記憶(2)【フジロックGO #0004】


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友人とアタクシは、とぼとぼと会場に向かって歩き始めた。事前には徒歩を全く予定していなかったので、どれくらいの距離があるのか、どの程度の時間がかかるのかも見当もつかないままだ。当時、携帯電話は持っていたかもしれないが、Googleマップのような便利なサービスもなかったので、これから先のことはぼんやりしたままである。

途中で雨が降ってきた。今フジロックに参加するなら、カッパは最も大事な必需品であるが、その時は持っていなかった。コンビニに入って、大きめのビニール袋を買って、頭と腕の部分に穴を開けて、即席のカッパにして進んだ。ビールも購入して、友人と「何か楽しいなあ」などと笑い合っていた記憶がある。

もちろんシャトルバスに何度か抜かれたが、数えるほどだった。少し焦る気持ちにもなったが、河口湖駅で待っていても、乗れそうな感じはしなかったので、ノロノロとはいえ会場に少しずつ近づいている方がよかった。周りに、自分たちと同じように歩いている人が多かったのも、アタクシを安心させてくれた。