『告白』は、チャットモンチーとして4作目のアルバム。前作『生命力』で、アタクシ的には、彼女たちのオルタナティブ・ロックはやりきった感があった。そのせいかはわからないが、今作ではアルバムを通して少しポップさが強くなったと感じる。
もちろん、これまで鳴らし続けてくれていたチャットモンチーの絶妙なバンド・サウンドがなくなったわけではない。それでも、骨太だったサウンドから、一つひとつの曲が改めてシェイプされて、ややキラキラしたものに変化していると思う。
そんな中でお気に入りなのは、「SEA BREEZE」のCMソングにもなった「風吹けば恋」だ。「走り出した足がとまらない/行け! 行け! あの人のところまで/誰にも抜かれたくないんだ/風! 風! 背中を押してよ」とシャウトされた歌詞は、本当にうまく恋心をすくい取っているなーと感じた。年甲斐もなく切ない気分になる。
また、かなり余計なお世話ではあるが、ジャケット内の彼女たちの写真も、アーティストっぽく、見た目もあか抜けていた。以前の地方OL感は、完全に払しょくされたのではないだろうか。
楽曲面においても、メンバー全員がボーカルを取るなど、新しい挑戦をしている部分は買いたいところ。ただ、餅は餅屋というか、やはり橋本絵莉子の声は特別なモノであることを再認識するのだった。
告白/チャットモンチー(2009)
1. 8cmのピンヒール
2. ヒラヒラヒラク秘密ノ扉
3. 海から出た魚
4. 染まるよ
5. CAT WALK
6. 余談
7. ハイビスカスは冬に咲く
8. あいまいな感情
9. 長い目で見て
10. LOVE is SOUP
11. 風吹けば恋
12. Last Love Letter
13. やさしさ
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