このアルバムを初めて見かけたのは、タワレコかどこかのフジロック特集コーナーではなかったか。ダミアン・ライスは2007年のフジロックに出ることになっており、結局前日にキャンセルになってしまったのだが、多分そのCD売り場で視聴したのが出会いだった。
楽器はギターくらいで、そこに自身のボーカルを乗せただけのシンプルな音楽ではあるが、穏やかながらも力強い歌声に魅了された。アタクシにとってそれまで全く知らないアーティストだったので、自分勝手に「知る人ぞ知る隠れた名シンガー・ソングライター」として何度も聴くようになった。
ただ実際は、この『オー』というアルバムも全世界で300万枚以上を売り上げているし、彼の出身であるアイルランドの老舗音楽誌『HOTPREES』が発表した偉大なるアイリッシュ・アルバム・トップ100では、U2の『ヨシュア・トゥリー』に続く第2位に選出されたそうだ。全然隠れたりしておらず、自国だけでなく、世界中から高く評価されているアーティストだったのだ。
このダミアン・ライス、かなりのメディア嫌い、取材嫌いのようで、プロモーションの時期に失踪してしまい、1カ月間連絡がとれなかったこともあるとのこと。どうやら聴き手に対して、自分の曲を説明したりするのがとても嫌なようで、「人それぞれが思うように自分の中に取り込んでくれたほうがもっと興味深くなる」と考えるからだという。
ちなみに、このアルバムを聴くと特に1曲目の最初のほうで、何とくなくハナレグミを聴いているような感覚があった。最近、ハナレグミのアルバムを聴いたばかりだったということがあるのかもしれない。また、3曲目の「ザ・ブロウワーズ・ドーター」は、ジュリア・ロバーツやジュード・ロウらが出演した映画『クローサー』の挿入歌になっているそうだ。
O/Damien Rice(2002)
1. Delicate
2. Volcano
3. The Blower’s Daughter
4. Cannonball
5. Older Chests
6. Amie
7. Cheers Darlin’
8. Cold Water
9. I Remember
10. Eskimo
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