【短編小説】おーい でてこーい/星新一
なかなかに恐い話。結局、自分のした事は、自分に戻ってくる。都合のよい「穴」などないのである。
今間題になっている環境の話に通ずるものがある。星新一さんが予見していたわけではないだろうけど。
【詩・俳句・短歌・歌詞】落葉松/北原白秋
からまつを通して世界の存在を感じる。最初にある「からまつはさびしかりけり。/たびゆくはさびしかりけり。」がキモになっているように思う。物言わぬ存在物をじっと眺めることで、時が自然と流れ、無常であることが浮かび上がってくるのであろう。
【論考】あやまちについて/森本哲郎
四つの偶像(イドラ)によって、人間の知性は曇らされてしまう。確かに完全なる客観的な直実を見つけ出すのは難しい。不可能と言えるかもしれない。それに対応するには、著者が言うように、自分たちがイドラに捉われていると自覚しつづけるしかないのかもしれない。