にじはきれいだが、はかない【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0183】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】安全な恋/リディア・デイヴィス
書籍では、わずか5行の超短編小説。息子のかかりつけ医に恋をするという女性。とても情熱的なたぐいの恋だったというが、二人を隔てる障害によって、安全でもあったという。つまりこれは、気持ちはあっても、具体的に発展しないと言いたいのだろうか。人の心の真実と、とっている行動は、また別であるというのはわかる。

【詩・俳句・短歌・歌詞】にじ/川崎洋 ○
全体的にポジティブな内容ではあるが、主語がそれぞれ示されないから、謎めいている。誰が草の中にたたずんでいるのか。質問したり、にじをかけたのは誰(何?)なのか。一方で、にじはとてもはかないものなのも気になってきた。結婚とにじを対比させると、あまりマッチしないのではないか。

【論考】彼の匂い/池田晶子 ○
今回も池田さんがかつて飼っていたコリー犬の話し。内容も思い出など、エッセー的である。なので直接書かれているわけではないが、生命は永遠ではないものの、匂いや毛などは、命を失われた後でも残るのだと思った。そして、言葉であれは、物質ではないから、ある意味、永遠の命を持ち得るのだと気づいた。