ルクレティウス【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#156】


【6月4日】ルクレティウス:前97頃~前55頃

おお 憐む可き人の心よ、おお 盲目なる精神よ! 此の如何にも短い一生が、なんたる人生の暗黒の中に、何と大きな危険の中に、過ごされて行くことだろう! 自然が自分に向って怒鳴っているのが判らないのか、外でもない、肉体から苦痛を取り去れ、精神をして悩みや恐怖を脱して、歓喜の情にひたらしめよ、と?

『物の本質について』樋口勝彦訳、岩波文庫、1961年

【アタクシ的メモ】
人間は、肉体と精神から構成されているという前提に立つように読める。そして、精神が歓喜(幸福)を感じるように生きろと、言っているのだと思った。