やることがたくさんあるのに、ピアノを弾くことしかできない【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0154】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】話/リディア・デイヴィス ◎
淡々とした文章(少なくとも翻訳は)で、とある男女のコミュニケーションや行き違いを描いている。電話かけても出たり出なかったり、翌日のことを考えてしまうと、相手に時間を使いづらかったり、歯がゆい感じがとても生々しい。「翌朝旅に出る予定で、やることかたくさんあるのに、ピアノを弾くことしかできない」という表現も、個人的に強く興味をひいた。

【詩・俳句・短歌・歌詞】木綿私記/谷川俊太郎 ○
いわゆる詩的なテキストではないが、木綿(コットン)を題材に、自身のこと、歴史や文化に話を広げ、ミクロとマクロを行き来する感じは、見事だと思った。ただ、コットンという素材自体としては、現在は新しい素材が数多く開発、利用され、中心的な素材と言えい現在では、テーマとしてやや古めかしい印象があった。

【論考】意味の家宅侵入/ロラン・バルト △
今回は俳句について。全体的に、よく分からなかった。例えば最後に、「俳句の読解の企ては、言語を宙吊りにすることであって、言語を喚起することではないのだから」と書かれている。言語の宙吊りとは、どんなこと、あるいはどんな状態なのだろうか。タイトルになっている「意味の家宅侵入」も、「意味を突き通す」とだけしか説明されていない。