【短編小説】特許の品/星新一
ストーリー自体は面白いと思ったものの、何だかスッキリしない感じがして、ちょっと考えてみると、快楽を受けつづけると、生物(人)は意欲が減退するという点がかもしれない。書かれた当時は、当てはまったかもしれないが、現在は快楽と意欲は相似的な関像にあると考えられているのではないだろうか。
【詩・俳句・短歌・歌詞】蛙の死/萩原朔太郎
難しい言葉は使っていないが、難解な詩である。ネット検索ではあるものの、いくつか解説的な言説を読んだが、すべて理解できたという感じには至らなかった。なので、あくまで感覚的ではあるけれど、作者の描こうとしたものに共感を覚えた。幼い人間の凶暴性とか、それを振り返って見る自分自身とか。
【論考】美について/森本理郎
「日本の美とは、永遠なものではなく、移りゆく『時間』のなかで形づくられ、成長し、そして衰微してゆくもの」という筆者の主張に賛同する。ただし、今回言われて、ハッとした感じではあるが。日本人が変わりやすいのも、一神教ではないからかもしれないと思った。