ブーアスティン【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#010】


【1月10日】ブーアスティン:1914.1.10~2004.2.25

世の中に事件がなにも起きていない、ニュース取材者たちは眠っている、あるいは競争相手のニュース取材者たちのほうがもっと機敏である、といった印象を人々に与えないためには、どうしたらよいか? 印刷や放送の経費が増大するにつれて、輪転機をいつも動かし、テレビをいつも放送していることが財政的に必要になった。疑似イベントを製造しなければならない必要は、いっそう強くなった。かくしてニュースの取材は、ニュースの製造へと変化したのである。

『幻影の時代、マスコミが製造する事実』後藤和彦・星野郁美訳、東京創元社、1964年

【アタクシ的メモ】
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及によって、個々人の情報発信でも起きているのではないか。社会全体で情報量が増えれば増えるほど、ほかの情報に埋もれないよう、自分の情報を増やし、差異化して、強いインパクトを求めるようになるのだ。