【気になるマーケティング用語】リードジェネレーション


<意味>
リードジェネレーションを簡潔に表現すれば、見込み顧客を獲得すること。自社の商品やサービスに興味、関心を示しそうな個人や企業に焦点を絞り、情報提供や提案をして成約につなげる活動全般を指すこともある。

広い意味でとらえると、前回紹介した「ナーチャリング」とほぼ同義とも言えるが、一般的には見込み顧客にアプローチするための個人情報取得が中心になる。個人情報の入手経路は、資料請求、展示会やイベントへの参加、アンケート回答、会員登録など、基本的に問わない。

< 解説>
ただ最近では、ユーザーが何かの商品購入を検討する際、インターネット検索が最初の手段になっていることや、インタラクティブ性があり、その場で個人情報をリスト化できるといったことから、Webサイトでリードジェネレーションを実施する企業が増えている。

特にBtoB企業、BtoCでも高額商品を扱う企業は、マスメディアなどを利用して不特定多数へアピールするよりも、見込み顧客の個人情報を取得して、確度の高い相手に対してダイレクトにマーケティング活動を行った方が効率的になる。

一方、ユーザーに個人情報を提供してもらうという点で言えば、見込み顧客といえども、何らかの具体的なメリットがなければ開示したくないと考えるもの。そのため、オンライン上で行われるリードジェネレーション施策では、PDF資料やコンテンツの後半を提供する代わりに個人情報を取得する例が多く見られる。

ここで注意すべきなのは、あくまで見込み顧客は“非顧客”であること。企業が言いたいだけの情報や宣伝文句を提示しただけでは、購入前のユーザーにとってメリットを感じづらいのが実情だ。顧客になる個人や企業にとって、どのような情報が役立つかを真摯に考えることが不可欠になる。

<課題>
リードジェネレーションの最終的な目的は、「見込み顧客(非顧客)の顧客化」。それでも、見込み顧客の獲得を意識しすぎて、“リード数”の増加ばかりに注力する場合が少なくない。事前の想定数に達していないからと、必要以上に露出を増やしたり、商材とは関連性の薄いプレゼントで関心を引いて、見込み顧客リストの“数合わせ”をしてしまうのだ。

しかしながら、こうした対策によっていくらリード数が増えたとしても、単にプレゼントが欲しかっただけなど、見込みの度合は低くなりがちである。実際に営業活動を行ったところで、顧客化するのは難しく、コストばかりかさむ結果が見込まれる。

重視すべきは、リード獲得施策からクロージングまでの“文脈”だ。興味、関心を持ちそうな見込み顧客に絞ってマーケティングを行うという、リードジェネレーションの原点に立ち戻り、一連の導線においてコンテクストを通底させることが大切である。マーケティング活動の全般にストーリーがあれば、ユーザーの態度変容も起こりやすくなるだろう。

 
◎関連マーケティング用語:「ナーチャリング」
ナーチャリングは見込み顧客を、有望な見込み顧客へと育成するマーケティング手法である。見込み顧客を指す「Lead(リード)」という言葉も含めて、「リードナーチャリング」と呼ばれることも多い。オンラインを中心に、見込み顧客に対して多様な情報を提供。自社の商品やサービスに関心を持ってもらい、購入、契約へとつなげるのが狙いだ。⇒続きはコチラ