老子【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#155】


【6月3日】老子:生没年未詳

大道廃れて、安に仁義あり、智慧出でて、安に大偽あり。六親和せずして、安孝慈あり。国家昏乱して、安に忠臣有り。

大いなる道が廃れだしてから、それから仁義が説かれるようになった。知恵が働きだしてから、それから大きな虚偽が行なわれるようになった。家族が不和になりだしてから、それから孝子や慈父が出てくるようになった。国家が混乱しだしてから、それから忠臣が現われるようになった。

『老子』蜂屋邦夫訳注、岩波文庫、2008年

【アタクシ的メモ】
二元論的な考えだろうか。善良さが増えると、その反作用で悪が現れだし、逆に悪がはびこれば、善良さが揺り戻そうとするといった感じで。ただ現代は、多様性の時代でもあるので、あれか、これかにはならないようにも思う。