自分なりの価値のものさしを持つ【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0124】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】ヴァンテアン/藤井太洋 ○
言語は明瞭であるが、科学的な知識が足りず、何がどうなっているのか、何がすごくて、すごくないのかなど、分からないまま終わってしまった。ページ数の少ない短編小説で、ノーベル賞級の発見をしてしまうのは、何だか安易な設定に思えてしまう。この辺りのギャップの作り方が、SFの難しさなのかもしれない。

【詩・俳句・短歌・歌詞】レモン哀歌/高村光太郎 ○
作者、高村光太郎の妻である智恵子に、死が迫ってきた瞬間などを切り取った詩のようだ。レモンによって瀬戸ぎわから舞い戻ってくる様子が見られ、哀歌とはいうものの、悲しみだけに満ちているわけではないように感じた。人は必ず死に、自分で寿命を決められるわけではないのである。その理は、決して哀しいことではないだろう。

【論考】すてる/外山滋比古 ○
情報を整理して、捨てよと主張しているのだが、40年近く前に提言している点をよく考えてみると、その時代において卓越した見解ではなかったか。価値のものさしがはっきりしないまま整理しないよう、指摘していることにも着目したい。現在風に言えば、「ときめくか、ときめかないか」ということになるのだろうか。