レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。
【短編小説】今を楽しめ/ルシア・ベルリン ◎
今回も、コインランドリーをめぐる物語。「わたし」は、間違って他の人の洗濯機を回してしまう。そうしたことをきっかけに、やや殺伐としたやり取りが発生する。誰もが望むような、幸福な会話が生まれないのは、仕方のないことなのだろう。印象に残るフレーズがいくつかあった。
【詩・俳句・短歌・歌詞】帰郷/谷川後太郎 ○
帰郷というタイトルだが、人が生きて死ぬことを詠う詩のようだ。ただ、比喩的な表現が多く、自分には詩全体を理解できなかった。合唱曲にもなっているようで、人が生きることのすばらしさを語っていると解釈する人が多いみたいだ。くり返しになるが、自分にはそう思えなかった。
【論考】論理について/森本哲郎 ○
「AハAデアル」という同一律について述べている。筆者は、「私は私である」という自同律が“自分への旅”の出発点だという。これ自体、間違っているわけではないと思う一方で、埴谷雄高さんの「自同律の不快」を思い出した。「私は私である」と言ったときの不確かさも、やはり感じるからだ。