【2月7日】ディケンズ:1812.2.7~1870.6.9
茫然とした幼児期を、はるか遠く振り返ってみると、まず目の前にはっきり浮かんでくるのは、綺麗な髪をして若々しい容姿の母さんと、容姿などあったもんじゃないし、目の玉が真っ黒けだったから、目のあたり一面が黒ずむんじゃないかと思えるほどだったし、頬っぺたも腕もぱんぱんに固くて真っ黒だったから、小鳥だって、リンゴよりこっちの方をつっ突くんじゃないかな、と思ったペゴディーの姿だった。
『デイヴィッド・コパフィールド』(1)、石塚裕子訳、岩波文庫、2002年
【アタクシ的メモ】
この『デイヴィッド・コパフィールド』は、ディケンズの長編小説。ペコディーは、コパフィールドの乳母のようだ。作者の自伝的な要素も強いとのこと。