【気になるマーケティング用語】SoLoMo


<意味>
Social(ソーシャル)、Local(ローカル)、Mobile(モバイル)の3語を組み合わせた造語。昨今、利用者を伸ばす先進的なサービスの要素を、端的にまとめたものとも言えよう。ベンチャーキャピタル(VC)の米クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ(KPCB)のパートナー、ジョン・ドーア氏が提唱したことで注目された。

スマートフォンに代表される高機能なモバイルデバイスの普及を背景に、個人の位置情報を容易に取得できるようになったことや、ソーシャルメディア利用者の急増などによって、新たなマーケティングの考え方として期待が集まっている。

<解説>
企業がSoLoMoに可能性を感じる一番の要因は、Webやソーシャルメディアを介して、顧客(潜在顧客)と店舗やブランドを直接的につなげられる点にある。

例えば、Facebookのチェックイン機能や投稿によって、ある店舗やブランドについての情報が、発信したユーザーのソーシャルグラフに拡散される。これはリアルな経験のシェアとなるため、企業発の告知などよりも真実味の高い情報ととらえられ、エンゲージメント向上に貢献する。

ソーシャルメディア上にある居住地や趣味の情報を分析すれば、個人の嗜好に沿った確度の高いターゲティングもできる。また、ある場所に近いユーザーだけに情報発信するといった施策など、これまでのマス広告やデジタルマーケティングだけでは、実現しないものだ。

<課題>
SoLoMoが本格化により、一人ひとりのユーザーから取得できる情報量が膨大になったことや、オンライン(ソーシャルメディア)とオフライン(店舗)との密接な連動が可能になっている点が、従来環境との大きな違いである。

「解析すべきデータが増える」「シームレスな施策が要求される」など高度化する面もあるが、パーソナライズした情報を提供して、顧客ニーズに適ったマーケティングが実施できるのが最大のメリット。こうした従来からの変化にどう対応し、どう生かすかが、今後企業の課題だと言える。