【短編小説】似た者同士/トルーマン・カポーティ ◎
2回読んだが、怪しい夫人たちの会話がハイコンテクストで、全体を理解できた気にならなかった。それでも、話す内容は犯罪者的なものではあるが、明確にしゃべらなかったり、語尾が暖味だったりすることが、リアリティを感じたせてくれた。人って、こんな風に話すよねと。
【詩・俳句・短歌・歌詞】山林に自由存す/国本国独步 ○
そんなに共感できない詩ではあったが、そもそも作者が言う「自由」とは何だろうなと思ってしまった。詩の表現を借りればい「血のわくを覚ゆ」なのであろうが、自身がワクワクできたら、自由なのかなとも感じてしまう。また、山林だけでなく自然と対峙すると自由さよりも、厳しさを覚えるのではないだろうか。
【論考】ふたたび、ものの見方について/森本哲郎 ○
一人称、二人称の視点だけでなく、第三者の視点が重要で、そうした三つの視点を自在に変えて、総合的に事柄をとらえるべきという考えにはとても賛同できる。ただ論の進め方は、論理よりも、エピソードベースで情緒が先行していることが多く、納得感や理解を妨げているのではないか。